自治体の「個別火葬」「合同火葬」「引き取り」のちがい 遺骨が戻るかどうか

市役所や区役所のページでペットの火葬を調べると、「個別火葬」「合同火葬」「引き取り」といった言葉が並んでいます。どれを選ぶかで、遺骨が手元に戻るかどうかが変わります。

当サイトで扱っている首都圏36市区の公式ページから、それぞれの言葉が実際にどんなサービスを指しているのかを拾い出しました。内容はどれも2026年9月28日時点のものです。同じ「引き取り」でも、行き先が動物霊園のこともあれば一般のごみを燃やす炉のこともあります。

呼び方 遺骨 公式ページでの例
個別火葬 戻る 横浜市の戸塚斎場・川越市斎場・越谷市斎場・上尾伊奈斎場つつじ苑・さいたま市の大宮聖苑
合同火葬 戻らない 横浜市の戸塚斎場・上尾伊奈斎場つつじ苑・町田市・立川市
引き取り 戻らないと書く市区が多い 東京23区の清掃事務所、さいたま市・川口市・所沢市・松戸市など

個別火葬と合同火葬の両方を用意している施設もあります。横浜市の戸塚斎場と上尾伊奈斎場つつじ苑がそうです。

個別火葬 1体ずつ火葬して遺骨を返してもらう

個別火葬は、1体ずつ火葬して遺骨を持ち帰る方法です。ここに挙げる5か所はどれも斎場で、川越市斎場やつつじ苑のように予約が要る施設もあります。

川越市斎場は「1体ごとの火葬で焼骨はお持ち帰りいただきます」と案内しています。越谷市斎場も1体ずつの火葬で、遺骨は持ち帰りです。上尾伊奈斎場つつじ苑では「単独火葬」と呼び、焼骨を持ち帰れます。横浜市の戸塚斎場の個別火葬は、斎場が用意する骨壺に遺骨を納めてすべて持ち帰ります。さいたま市の大宮聖苑も、お骨はすべて持ち帰ると書かれています。

「個別火葬」という言葉を使わずに、遺骨を返してもらえる施設もあります。藤沢市は「焼骨を引取る場合」、横須賀市は申し込みのときに遺骨が要ると伝える形です。どちらも遺骨は戻りますが、1体ずつ火葬するとまでは書かれていません。市川市も、クリーンセンターに直接持ち込んで希望すれば遺骨を返してもらえます。

料金や申し込み方は、遺骨が戻る首都圏8市の記事に市ごとに並べています。各市の元のページも、そちらからたどれます。

庭に置かれた小さな石と花の水彩イラスト

合同火葬 ほかのペットと一緒に火葬する

合同火葬は、ほかのペットと一緒に火葬する方法です。遺骨は返してもらえません。共同の埋蔵施設に納める例があります。

横浜市の戸塚斎場の合同火葬では、遺骨は一般社団法人横浜ペット霊園協会が管理する共同の埋蔵施設に納められます。持ち込みなら1体3,000円です。横浜市のペット火葬の案内に書かれています(2026年9月28日時点)。個別火葬のほうは重さによって10,000円から30,000円で、くわしくは横浜市のページにあります。

上尾伊奈斎場つつじ苑の合同火葬は、その日に予約のあった動物を3体まで一緒に火葬します。お骨を拾うことも返してもらうこともできません。つつじ苑の利用案内に書かれています(2026年9月28日時点)。上尾市民と伊奈町民なら、5kg未満で単独火葬が5,000円、合同火葬が2,500円です。つつじ苑の使用料のページで確かめられます(2026年9月28日時点)。ほかの重さの区分は上尾市のページに載せています。

市川市は、動物専用の炉で火葬して遺骨を慰霊碑に合同で埋葬します。ページに「合同火葬」という言葉はなく、持ち込んで希望すれば遺骨を返してもらえます。くわしくは市川市のページにあります(2026年9月28日時点)。町田市は引き取ったペットを動物霊園で合同火葬・合同埋葬し、立川市は府中市の慈恵院で合同で火葬します。どちらも遺骨は返されません。町田市は亡くなった動物の引取りのページ、立川市は動物死体の収集・持ち込みのページが元です(いずれも2026年9月28日時点)。当サイトの市川市・町田市・立川市のページにもまとめています。

引き取り 清掃事務所や清掃工場が預かる

引き取りは、清掃事務所や清掃工場などがペットを預かって処理する仕組みです。家まで来てもらえる市区もあれば、自分で持ち込む市区もあります。預けたあとの扱いは自治体によってかなり違います。

動物霊園などで合同火葬・埋葬する例

東京23区の清掃事務所は、引き取ったペットを委託業者や動物霊園に引き渡します。新宿区は動物専門霊園で合同で火葬して埋葬し、北区は動物霊園で合葬すると書いています。さいたま市は、市が契約する市外の火葬場で火葬して寺院の合祀墓に埋葬するとよくある質問で説明しています。草加市も合同で火葬するため、遺骨は戻らずお墓参りもできないとしています。

23区のようすは東京23区のペットの引き取りの記事にまとめました。さいたま市は犬・猫などの死体処理のページ、草加市はペットの引き取りのページが元です(いずれも2026年9月28日時点)。

清掃工場などの炉で焼却する例

所沢市は「廃棄物として処理するもので、遺骨の引渡しはしておりません」と書いています。松戸市は和名ケ谷クリーンセンターで焼却し、動物専用の焼却炉はないと案内しています。市原市も、ほかの搬入物と一緒に焼却するため遺骨は戻らないとしています。

藤沢市には、石名坂環境事業所のペット火葬とは別に、一般のごみを燃やす焼却炉で処分する方法もあります。持ち込みで10kgあたり110円です。

一方で相模原市は小動物専用の焼却設備で火葬し、川口市は動物専用の炉で合同火葬します。どちらも遺骨は返してもらえません。

元のページは、所沢市・松戸市・市原市・相模原市・川口市・藤沢市です(いずれも2026年9月28日時点)。

どれとも言い切れない書き方

平塚市の小動物焼却場は「個別火葬はできません」としながら、持ち込んだ場合にお骨の返却を望むときは受付の職員に相談するよう書いています。自宅まで引き取りに来てもらった場合は、お骨は返してもらえません。平塚市のページで読めます(2026年9月28日時点)。

藤沢市で遺骨が要らない場合は、焼骨と灰は処分されます。ほかのペットと一緒に火葬するかどうかは書かれていません。藤沢市のペット火葬のページが元です(2026年9月28日時点)。

荒川区・品川区・墨田区は、業者が火葬・埋葬するとだけあり、個別か合同かは書かれていません。府中市と八王子市は、火葬か焼却かも書かれていません。書かれていないことは、窓口に電話したときに聞いておくと安心です。

大きな石のまわりに花が咲く庭の水彩イラスト

選ぶときに見ておきたいこと

遺骨を手元に残したいなら、個別火葬か遺骨を返してもらえるサービスを選ぶことになります。合同火葬や引き取りでは遺骨が戻らないと書く自治体が多く、足立区のように一度預けたペットは返してもらえないと案内している区もあります。

小さな動物は、個別火葬でも骨が残らないことがあります。上尾伊奈斎場つつじ苑は1kg程度以下の動物について、越谷市の斎場は小鳥やハムスターなどについて、そう案内しています。

立ち会いができない施設もあります。横須賀市・平塚市・相模原市は、火葬の立ち会いはできないとしています。重さの上限は重さ・大きさの上限の記事に、市区ごとの詳しい情報はペット火葬の市区町村一覧にまとめています。