亡くなったペットを、住み慣れた家の庭に埋めてあげたいと考える人は少なくありません。ただ、自治体の公式ページがそれをどう書いているのかは、調べてもなかなか見つかりません。
当サイトで扱っている首都圏36市区の公式ページを確かめたところ、庭への埋葬に触れていたのは草加市と葛飾区の2市区でした。書き方は正反対です。残る34市区のページには、庭のことは見つかりませんでした。内容は2026年10月12日時点のもので、ページの更新日も添えています。
| 書き方 | 自治体(ページの更新日) | 原文の要点 |
|---|---|---|
| 埋めることができると書く | 草加市 2018年12月28日更新 |
庭があれば小さなペットの死体や遺骨を埋められる。できるだけ深く。公園や河川敷は禁止 |
| 庭に埋めないよう書く | 葛飾区 2023年12月6日更新 |
庭等に埋めている人がいることに触れ、土壌汚染が心配だと書く |
| 庭の記載は見つからなかった | 残りの34市区 | 飼い主が処理することや、引き取りの案内が中心 |
| 参考:関東以外で、条件つきの埋葬に触れている | 北見市・松本市 | 自分の敷地であること、深さ、他人の土地や公共の場所はだめなこと |
草加市は、小さなペットなら庭に埋められると書いています
草加市のよくある質問「飼っているペットが死んだらどうすればいいでしょうか」に、自宅の庭に埋葬する場合の項があります。原文は次のとおりです。
「自宅に庭がある場合は、小鳥やハムスターなど、小さなペットの死体や火葬した遺骨を埋めることができます。埋める際には、野生動物などが掘り出す可能性があるので、できるだけ深く埋めてください。なお、公園や河川敷などに埋めることは、法律等で禁止されています。」
読み取れるのは次の点です。
- 例に挙がっているのは、小鳥やハムスターなどの小さなペットです。大きさの上限は書かれていません
- 死体だけでなく、火葬した遺骨を埋める場合も含まれています
- 深さについては「できるだけ深く」とあり、数字はありません
- 公園や河川敷などに埋めることは、法律等で禁止されていると書かれています
このページの更新日は2018年12月28日で、8年近く前のものです。その後に案内が変わったかどうかは、ページからはわかりません。原文は草加市のよくある質問のページにあります(2026年10月12日時点)。草加市のペットの引き取りについては草加市のページにまとめています。

葛飾区は、庭に埋めないよう書いています
葛飾区の健康のページ(動物由来感染症)には、次のような説明があります。飼っているペット(25キログラム以下の犬、猫、小動物)が死亡した場合は区の清掃事務所が引き取りにきてくれますが、「生ごみと一緒に焼かれてかわいそう」と「自宅の庭等に埋めている方がいます」という書き出しです。
続く原文は「このような場合、破傷風等の原因となる土壌汚染が心配されますので」で始まり、庭に埋めないよう強く呼びかける言葉で結ばれています。
同じページには、焼却の仕方についても書かれています。「清掃事務所に引き取ってもらった場合、動物死体として焼却するので、生ごみと一緒には焼却しません。」という一文です。「生ごみと一緒に焼かれてかわいそう」という心配に、区が同じページで答えている形です。
ページの更新日は2023年12月6日です。葛飾区の該当ページで全文が読めます(2026年10月12日時点)。葛飾区の引き取りの料金や遺骨の扱いは葛飾区のページと、東京23区をまとめた東京23区のペットの引き取りの記事に載せています。
庭のことが書かれていない34市区では
残る34市区の公式ページには、庭に埋めてよいとも、いけないとも書かれた文は見つかりませんでした。調べたのは、ペットや動物の死体の処理、引き取り、火葬についての案内ページです。ただし千葉県の市原市はページの本文を読み込めず、確認できていません。分別冊子などのPDFは、文字を読み取れなかった市区もあります。
多くのページは、飼い主が処理することや、清掃事務所・清掃センターなどによる引き取りの方法を案内する内容にとどまっています。書かれていないことは、認めているという意味でも、禁じているという意味でもありません。ページからは判断できないため、気になる場合は住んでいる市区に直接聞くのが確実です。
市区ごとの引き取りや火葬の案内はペット火葬の市区町村一覧から探せます。個別火葬や合同火葬、引き取りのちがいは個別火葬・合同火葬・引き取りの記事に、可燃ごみとして扱う自治体の書き方はペットの死体を燃えるごみに出せるかを調べた記事にまとめました。
参考:関東以外の自治体と、法律・広域のQ&A
首都圏の外では、庭への埋葬に条件をつけて触れている自治体があります。当サイトのデータには入っていないため、あくまで参考です。
北海道の北見市は、「自宅の庭など、ご自身の所有する敷地内にペットの死体を「弔う意志をもって適切に埋葬する」場合は、ただちに廃棄物処理法に抵触するものではありません」としたうえで、注意点を挙げています。深さは「1メートル以上が望ましい」と書かれています。他人の所有地や公共の場所には埋葬しないこと、所有地でも臭気や地下水汚染、土壌汚染などで周囲に迷惑をかければ責任を負う場合があることも書かれています。更新日の記載はありません。北見市のページです(2026年10月12日時点)。
長野県の松本市は、手順の一つとして「ご自宅の庭などに穴を掘って埋葬します。」と書いています。野生動物に掘り起こされないよう十分な深さを掘ることも書かれています。一方で、「他人の敷地、道路や公園、山林、河川などの公共の場所」には捨てないよう求めています。ページの更新日は2023年12月1日です。松本市のページにあります(2026年10月12日時点)。
京都府の京田辺市は、遺骨の埋葬について「民間の動物霊園に埋葬を依頼されますようお願いします。」と書いています。庭に埋めてよいかどうかには触れていません。京田辺市のページです(2026年10月12日時点)。
法律では、廃棄物の処理及び清掃に関する法律の第16条に「何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない。」とあります。第2条第1項は、廃棄物の例に「動物の死体」を挙げています。条文そのものには、庭への埋葬のことは書かれていません。北見市は、自分の所有する敷地内に弔う意志をもって適切に埋葬する場合について、この法律に「ただちに」抵触するものではないと書いています。条文はe-Gov法令検索で読めます(2026年10月12日時点)。
九都県市の廃棄物問題検討委員会のQ&Aには、「埋葬や供養が行われる愛玩動物(ペット)の死体については、社会通念上、廃棄物としては取扱いません。」とあります。土地の種類には触れていません。自治体の公式サイトそのものではなく、広域の検討委員会が公開しているページです。Q&Aのページで読めます(2026年10月12日時点)。

庭に埋める前に確かめること
ここまでの公式ページに書かれていた注意を、確かめる項目として並べました。どれも原文にある内容で、当サイトの意見ではありません。
- 自分の所有する敷地かどうか。草加市は「自宅に庭がある場合」、北見市は「ご自身の所有する敷地内」としています。松本市は他人の敷地に捨てないよう求めています
- 公園や河川敷、道路、山林などではないか。草加市は公園や河川敷などに埋めることを法律等で禁止されていると書き、北見市は公共の場所に埋葬しないよう、松本市は公共の場所に捨てないよう求めています
- 野生動物に掘り出されない深さがあるか。草加市は「できるだけ深く」、松本市は「十分な深さ」、北見市は「1メートル以上が望ましい」と書いています
- 臭気や地下水、土壌に影響が出ないか。北見市は周囲に迷惑をかけた場合の責任に触れ、葛飾区は破傷風等の原因となる土壌汚染を心配しています
- ペットの大きさ。草加市が例に挙げているのは小鳥やハムスターなどの小さなペットです
- 住んでいる市区のページに案内があるか。草加市のページの更新は2018年で、市区によって書かれている内容も古さもばらばらです
庭に埋めたいという気持ちは、自然なものです。決める前に、引き取りや火葬という選び方があることも知っておいてください。持ち物や受付の流れは自治体のペット火葬に持っていくものの記事に載せています。