移動火葬車(ペット火葬車)の許可や届出を定めた首都圏の自治体

移動火葬車(ペット火葬車)は、火葬炉を積んだ車が自宅の近くまで来て、その場でペットを火葬してくれるサービスです。家から出ずに見送れる手軽さがある一方で、この車について条例や要綱で手続きを定めている自治体もあります。

当サイトで扱っている首都圏36市区について、移動火葬車の定めがあるかどうかを各自治体の公式ページと例規集(条例や要綱を集めたもの)で調べました。調べたのは2026年9月28日で、一部は2026年9月29日と10月12日に見直しています。条文の中身は、公式ページと条文に書かれている範囲にとどめました。

移動火葬車について定めがある6市区

市区 定めの種類 主な内容
相模原市 条例(許可制) 火葬車両を含む火葬施設のあるペット霊園の設置に市の許可が必要
草加市 条例(許可制) 市内で移動火葬車両を使って火葬を業として行うには市長の許可が必要
横浜市 条例(届出) 移動式の動物火葬炉も届出等の対象(市外の事業者も含む)
松戸市 要綱(届出) 移動火葬車事業届を市長に提出
立川市 指導要綱(届出) 市内で火葬する場合は移動火葬車使用届を市長に提出
荒川区 要綱(事前申出・協議) 事業の着手前に事前申出書を出して区長と協議

「条例」は議会の議決で定めるきまりで、「要綱」は自治体が事務の手続きや指導の基準として定めるものです。

庭のある家の前に停まった白い車の水彩イラスト

6市区の定めの中身

相模原市(相模原市ペット霊園の設置等に伴う生活環境の保全に関する条例)

市のページには「ペット霊園(墳墓、納骨堂、火葬施設(火葬車両を含む。))を設置しようとする場合には、市の許可が必要です。」とあります。火葬車両も、この条例でいうペット霊園の火葬施設に含まれる扱いです。

文面は相模原市のページで読めます(2026年10月12日時点)。市のペット火葬全体は相模原市のまとめページに載せています。

草加市(草加市ペット霊園等の設置及び管理に関する条例)

条例の第9条第3項に「市内で移動火葬車両を使用して火葬を業として行おうとする者は、市長の許可を受けなければならない。」とあります。第26条は移動火葬車両事業者が守ることとして、事業者の名称・連絡先・許可番号を車両の外側に見やすく表示することなどを定めています。

市の解説ページでは、市内で火葬する移動火葬車両(市外の事業者も含む)が満たすべき要件として、次のような項目を挙げています。

  • 「公園、学校、保育所、病院その他の公共施設の敷地(駐車場を含む。)または道路、河川等若しくは湖沼で火葬等の作業を行わないこと。」
  • 火葬をするときは近隣の住民に前もって知らせること。問い合わせや要望には誠意をもって対応すること。

条文は草加市の例規集に載っています(2026年10月12日時点)。要件の一覧は市の解説ページで見られます(2026年10月12日時点)。市の火葬や引き取りについては草加市のまとめページにまとめています。

横浜市(横浜市生活環境の保全等に関する条例)

市のページは動物火葬炉について「施設の規模によらず届出等の対象となります。また、移動式の動物火葬炉も届出等の対象となります。」と書いています。さらに「横浜市外の事業者であっても、移動式の動物火葬炉を横浜市内で使用する場合は届出等の対象となります。」ともあります。設置の届出の期限は、設置する30日前までです。

もとの案内は横浜市の動物火葬炉のページです(2026年10月12日時点)。戸塚斎場のペット火葬などは横浜市のまとめページで紹介しています。

松戸市(松戸市ペット霊園等の設置に関する指導要綱)

要綱の第13条では、移動火葬車で市内のペットの死骸を火葬する事業を営む人は、移動火葬車事業(新規・変更)届を市長に出すものとしています。同じ条の第5項は、移動火葬車で火葬するときにはその場所の周辺住民へ前もって知らせるよう努めるものとしています。条例ではなく、要綱による届出です。

要綱の本文は松戸市の指導要綱(PDF)で確かめられます(2026年9月28日時点)。松戸市のまとめページもあります。

立川市(立川市ペット火葬場等の設置等に関する指導要綱)

市のページには「事業者がペット火葬場等を設置するときや、移動火葬車によって市内で火葬するときなどは、事前に市との協議や届出が必要になります。」とあります。要綱の第14条によると、移動火葬事業者は市内で火葬するとき、移動先の周りの住民に前もって知らせ(第2項)、移動火葬車使用届を市長に出すもの(第4項)とされています。こちらも条例ではなく指導要綱です。

案内は立川市のページにあります(2026年10月12日時点)。要綱そのものは指導要綱のPDFで読めます(2026年10月12日時点)。市の引き取りについては立川市のまとめページに書いています。

荒川区(荒川区市街地整備指導要綱)

要綱の第2条は「移動火葬施設」を、動物の死骸を火葬する焼却設備を積んで移動できる自動車等と定義しています。そのうえで「移動火葬施設を使用する事業」を対象事業にしています(第3条)。事業者は事業に取りかかる前に事前申出書を出して区長と協議し(第5条)、計画の内容を近隣の住民にあらかじめ説明または周知するもの(第6条)とされています。

別表には焼却設備の構造のほか、ばいじん・ダイオキシン類・臭気・騒音などの基準も定められています。これも条例ではなく要綱です。

本文は荒川区の例規集に収められています(2026年10月12日時点)。区の引き取りは荒川区のまとめページで扱っています。

霊園や火葬施設の定めはあるものの、移動火葬車の規定は見つかっていない市区

次の市区には、ペット霊園やペット火葬炉についての条例・要綱があります。ただ、読んだ本文の中には移動火葬車を対象にした規定が見当たりませんでした。ほかの条例や要綱まで含めた全体は調べきれていません。

  • 市原市:市原市ペット霊園の設置の適正化に関する条例があります。本文には移動火葬車や車両についての記載が見つかりませんでした(市原市の例規集)。
  • 平塚市:平塚市まちづくり条例と同施行規則で、ペット霊園の新設・変更を手続きの対象にしています。本文には移動火葬車や車両による火葬の記載は見つかりませんでした(平塚市のページ)。
  • 上尾市:上尾市ペット霊園の設置等に関する条例で、ペット霊園の設置を市長の許可制にしています。市が載せている条例本文には移動火葬車の記載が見つかりませんでした。改正があったかどうかはわかっていません(上尾市の条例PDF)。
  • 川口市:川口市ペット火葬炉の設置等に関する指導要綱で、ペット火葬炉を設ける前に市長との協議を求めています。本文に移動火葬車の記載は見つかりませんでした(川口市のページ)。
  • さいたま市:さいたま市ペット火葬炉の設置等に関する指導要綱で、ペット火葬炉の設置等を届け出る前に市長との事前協議を求めています。本文に移動火葬車の記載は見つかりませんでした(さいたま市のページ)。
  • 板橋区:東京都板橋区ペット火葬場等の設置等に関する条例で、ペット火葬場等の設置等を区長の許可制にしています。許可の基準には「ペット火葬炉は、固定式の火葬施設であること」が入っています。移動火葬車を名指しした規定はありません。敷地の外で火葬する移動火葬車にこの条例が及ぶかどうかについて、区の解釈はまだ確かめられていません(板橋区のページ)。
  • 八王子市:八王子市ペット霊園の設置等に関する要綱に、ペット霊園の敷地の中で移動火葬炉を使う場合の定め(外壁等による囲いなど)があります。霊園の敷地の外で火葬する移動火葬車そのものを対象にした規定は確認できていません(八王子市のページ)。

この一覧は、2026年9月28日に調べた内容です。市原市・川口市・八王子市の項目は、2026年10月12日に確かめ直しました。

例規集を読んでも規定が見つからなかった市区

次の2市区は、例規集に入っている条例や規則などの本文をすべて取り寄せて調べましたが、移動火葬車についての規定は見つかりませんでした。とはいえ、例規集に載らない要綱などがあるかもしれないので、「定めが無い」とまでは言えません。

まだ調べきれていない市区

次の21市区は、公式サイトなどを見た限りでは移動火葬車に関する条例や要綱が見つかっていません。ただし例規集の全文までは読めていないので、「未確認」の扱いにしています。定めが無いという意味ではない点に気をつけてください。

船橋市・市川市・八千代市・茅ヶ崎市・藤沢市・川越市・越谷市・所沢市・足立区・葛飾区・北区・江東区・町田市・中野区・練馬区・大田区・世田谷区・品川区・新宿区・杉並区・府中市

丘から見た低い家並みと木々の住宅地の水彩イラスト

移動火葬車を頼む前に

見てきたように、移動火葬車に許可や届出を求めている自治体があります。移動火葬車にお願いするときは、住んでいる市区のルールに沿って営業しているかどうか、許可や届出が必要な地域ならその手続きを済ませているかを業者に聞いておくと安心です。

自治体が行っているペット火葬や引き取りについては、市区町村ごとの一覧から各市区の公式情報をたどれます。

ここに載せた内容は、自治体の公式情報をもとに当サイトで整理したものです。誤りや変更に気づかれた方は、お問い合わせから知らせていただけると助かります。